Procreate

【初心者】Procreate の使い方  レイヤーの基本

デジタルアートは、レイヤーに線や色を塗ることで絵を完成させます。

レイヤーについて知っておくことは、デジタルでお絵描きするのにとても大切です。

おれねこさん

レイヤーがあるから、アナログよりも便利にお絵描きできるんだぜ!

おれつや

「デジタルアートは後から自由に修正できる」と言われるのも、レイヤーがあるからこそ!です。

この記事では、レイヤーとは何か?というところから、Procreateのたくさんあるレイヤー機能の内、以下の基本的な部分を紹介していきます。

  • レイヤーとは?
  • レイヤーの新規作成、並びかえ、削除
  • レイヤーの表示・非表示・不透明度の変更
  • ジェスチャーによる操作(レイヤーオブジェクトのコピー・消去、結合、ロック、複製、削除)
  • レイヤーのグループ化とグループの編集
  • 背景色の変更

これ以外のレイヤー機能については応用編で解説しています

また、描画ガイド・描画アシストについてはこちらの記事で紹介しています。

レイヤーについて理解し、楽しく快適にお絵描きできるようになりましょう。

Contents -目次
  1. レイヤーの基本
  2. Procreateでレイヤーを使う
  3. レイヤーの新規作成(追加)と並びかえ
  4. 背景色(キャンバスの色)を変更する
  5. 名前を変更してレイヤーを区別する
  6. レイヤーの表示・非表示と不透明度の調整
  7. タッチでレイヤーオプションメニューを呼び出す
  8. 左スワイプ(ジェスチャー)でレイヤーの編集を行う
  9. 右スワイプ(ジェスチャー)で複数レイヤーを選択
  10. グループに対する操作
  11. 編集したレイヤーを元に戻す方法
  12. まとめ

レイヤーの基本

レイヤーとは、薄い透明なシートにようなもの。

デジタルアートでは、薄い透明なシート1つ1つに線や色を塗り、複数を重ね合わせることで1枚の絵を完成させます。この「透明なシート」を「レイヤー」と呼びます。

おにぎりを食べている猫の置物の絵を描いてみました。

この絵は以下のように6枚のレイヤーに分かれています。

各レイヤーに役割を持たせて線や色を着けています。

  • 線画  …  キャラクターなど物体の輪郭
  • ハイライト  …  光が強く当たっているところ
  • 影  …  ものやキャラクターにより光が遮られているところ
  • 下塗り  …  影やハイライトを考えない物体そのものの色。
  • 地面の影  …  キャラクターの設置面で、光が遮られているところ
  • 背景  …  地面や壁、自然などの情景

レイヤーの並び順(レイヤー構造)が大切

「何枚のレイヤーがどういう順番で並んでいるか?」を「レイヤー構造」と言います。

レイヤー構造の中でも、レイヤーを重ねる順番には注意が必要です。

先ほどの絵のレイヤーの順番を変えてみます。線画のレイヤーを1番後ろに移動しました。

この絵で線画レイヤーは猫の置物の輪郭を描いたレイヤーです。その他のレイヤーの奥に置いてしまうと、見えなくなってしまい不都合が生じます。

絵柄によっては線画をつけないこともあります。でもこの絵は線がある前提で色を付けているので、線画は1番手前に来ないといけません。

Procreateでレイヤーを使う

ここからは実際にProcreateの画面でレイヤーの説明をしていきます。

キャンバス右上の「レイヤー」マークを押すと現在のレイヤー構造が開かれます。

キャンバスの作成直後は以下のような単純なレイヤー構造です。

  • レイヤー1
  • 背景色

猫の置物の絵を例にすると、レイヤー構造はこのようになっています。

レイヤー構造の上が絵の手前、レイヤー構造の下が絵の奥です。

必要に応じてレイヤーを追加、移動させながら絵を描きます。

レイヤーの新規作成(追加)と並びかえ

レイヤーの新規作成(追加)方法

レイヤー構造の右上にある「+」が「新規レイヤー作成」のマークです。

選択中のレイヤーの上に新しいレイヤーが作られました。

レイヤーは「レイヤー2」「レイヤー3」「レイヤー4」……と自動で名前が付けられます。

レイヤーの順番を変更する

レイヤーの順番は自在に変更することができます。

レイヤーを3枚作り、それぞれに◯△□を描きました。

   (キャンバスの手前)

  • レイヤー3:□
  • レイヤー2:△
  • レイヤー1:○

   (キャンバスの奥)

レイヤーの順番は以下の手順で変更することができます。

  1. 順番を変更したいレイヤーをグッと長押しする。
  2. 指で長押ししたまま動かしたいレイヤーをスライドさせる。
  3. レイヤーをおきたい場所で指を離す。

以下の画像では、レイヤー3(□)を手前から真ん中に移動させました。

以下のように長押しすると選択しているレイヤーが浮き上がるような表示になり、この時にレイヤーを移動可能です。

背景色(キャンバスの色)を変更する

背景色(キャンバスの色)はデフォルトは白ですが、自由に変更することができます。

以下の手順で操作します。

  1. レイヤー構造を開、「背景色」をタッチする。
  2. カラーサークルが出てくるので、色を選び「完了」を押す。
  3. 選択した色に変わっている。

以下のように、カラーサークルの色を変えるとキャンバスの色も一緒に変わるので、快適に色の調整ができます。

名前を変更してレイヤーを区別する

レイヤーの名前は以下の操作で変更できます。

  1. レイヤー構造を開き、名前を変えたいレイヤーをタッチ
  2. 左側に現れたメニューの中の「名前を変更」をタッチ
  3. キーボードで変更したい名前を入力
  4. 「改行」を押すと、名前を変更できる

レイヤー構造を開くと、左側のボックス内にレイヤー内のオブジェクトが表示されますが、小さく見づらいという欠点があります。

名前の変更が面倒な場合、環境設定で「明るいインターフェース」をONにすることをオススメします。

レイヤーの中身が見やすくなりますよ。

レイヤーの表示・非表示と不透明度の調整

レイヤー・背景色の表示・非表示

レイヤーはデフォルトでは全て「表示」になっていますが、非表示にすることができます。

レイヤー構造を開き、非表示したいレイヤーの「チェック部分」をタッチしチェックを外すと、非表示になります。

表示したいときは再度タッチし、チェックを入れます。背景色も含め、全てのレイヤーで表示・非表示を切り替えられます。

不要だけど残しておきたいレイヤーは、削除せずに非表示しておくと良いです。

レイヤーの不透明度の調整

不透明度は「透明さの度合い」と言い換えられます。デフォルトは不透明度100%で、全く透けていない状態です。

不透明度は以下のように変更できます。

  1. レイヤー構造を開き、不透明度を変更したいレイヤーの右側のアルファベットをタッチする。
  2. 不透明度の値をバーをスライドさせて調整する。

不透明度の値を小さくすると、透明に近くなります。バーの左端の「なし」は、完全な透明です。

用途は多くありますが、主に下書きレイヤーを薄く表示させるために使用します。

線画を清書する時に、下書きが濃いと、清書レイヤーに線をうまく描けているのか分かりづらくなります。この作業が下書きの不透明度を下げることで快適になります。

タッチでレイヤーオプションメニューを呼び出す

レイヤーの中身をコピー

特定のレイヤーの中身をコピーするには、以下のように操作します。

  1. レイヤー構造を開き、コピーしたいレイヤーをタッチする。
  2. 左に現れるメニューの「コピー」をタッチする。
  3. キャンバス中央の上側に「コピーしたレイヤー」と表示されれば、コピー完了です。

コピーしたレイヤーをペーストする際、メニューを呼び出して「ペースト」を行います。キャンバス上を3本指で縦にスライドさせることでメニューが現れます。

同一キャンバス内でのレイヤーの複製は「レイヤーを複製(コピー&ペースト)する」で解説します。

レイヤーのコピーは、同じキャンバスではなく、以下のように別のキャンバスにレイヤーをコピーしたい時に使うのが便利です。

レイヤーの中身を消去

レイヤー自体の消去ではなく、レイヤーを残したまま、レイヤーに描写されているものを全て消去します。消しゴムで全消しするのと同じ効果です。

以下のように操作してください。

  1. レイヤー構造を開き、消去したいレイヤーをタッチする。
  2. 左に現れるメニューの「消去」をタッチする。

今回は「影」レイヤーの中身を消去しました。上の絵と見比べると、下の絵では影が消えていますね。

レイヤー全体を消しゴムだけで消すのは面倒だ、という時に使うと時短にもなり便利ですよ。

レイヤー自体の削除方法は「レイヤーを削除する」で説明します。

「下へ結合」で選択中のレイヤーを1つ下のレイヤーと結合する

現在選択中のレイヤーを、すぐ下にあるレイヤーと結合する際に使用します。

レイヤー構造を開いてレイヤーをタッチし「下へ結合」を押すと、すぐ下のレイヤーと結合されます。

複数レイヤーを統合する場合、グループ化後に「フラット化」する必要があります。

左スワイプ(ジェスチャー)でレイヤーの編集を行う

レイヤー構造を開き、レイヤーの上で、指を左にスライドさせるとメニューが出てきます。

メニューを出したレイヤーに対して以下の操作を行うことができます。

  • ロック … レイヤーのロック中は、レイヤーの編集ができなくなる。
  • 複製 … レイヤーを複製(コピー&ペースト)する。
  • 削除 … レイヤーを削除する。

「ロック」でレイヤーを一時的に編集できなくする

ロックを設定している間、そのレイヤーを編集できなくなります。

誤って編集したくないレイヤーを編集したり消してしまったりすることを防ぐことができますよ。

方法は以下のように、レイヤー構造を開き、ロックしたいレイヤー上で左スワイプし「ロック」を押すだけです。

レイヤーがロックされると、レイヤーの名前の左側に鍵のマークが付きます。

ロックされたレイヤーを編集しようとすると以下のメッセージが表示されます。ロック解除するか、しないか、操作を選ぶことができます。

  • キャンセル・レイヤーを開く … 何もしない
  • ロック解除 … ロック解除できる

ロックを解除するときは、以下のように操作してください。

  1. レイヤー構造を開き、ロック解除したいレイヤー上で左スワイプしメニューを呼び出す。
  2. 「ロック解除」をタッチする。
  3. ロックのマークが消え、レイヤーのロックが解除される。

レイヤーを複製(コピー&ペースト)する

レイヤー1枚を、そのレイヤーに描かれているオブジェクトごと複製することができます。

レイヤーを複製するときは以下の順で操作します。

  1. レイヤー構造を開き、複製したいレイヤー上で左スワイプし「複製」を押す。
  2. レイヤーが複製される。

アルファロックやレイヤー効果など、レイヤーの中身を編集した後やり直しができなくなる場合があります。

そういった場合も、レイヤーを複製し元のデータを残しておくととても便利なので覚えておくと良いです。

レイヤーを削除する

レイヤーを削除する場合、レイヤー構造を開き、削除したいレイヤーを左にスワイプして「削除」をタッチします。

削除完了

以下の画像では、レイヤー1を削除しています。

レイヤーに描かれていたオブジェクトが全て、レイヤーごと削除されます。

不要なレイヤーが多いと、レイヤー構造を開いた時に表示されるレイヤー数が多くなり、目的のレイヤーを見つけづらくなります。

不要なレイヤーを定期的に削除し、整理しながら絵を描くことをオススメします。

ただし、削除したレイヤーは復活できない場合もあるので注意しましょう。

右スワイプ(ジェスチャー)で複数レイヤーを選択

2枚以上のレイヤーを選択して、グループ化、一斉削除や、選択中のレイヤー全てに同じ操作を行うことができます。

複数選択するには以下のように操作してください。

  1. レイヤー構造を開き、複数選択したいレイヤーを右にスライドして指を離す。
  2. 複数選択されるとレイヤーは青く表示される。

複数選択したレイヤーをグループ化する(フォルダ機能)

グループ化は、フォルダのようにレイヤーをまとめておく機能です。

グループ化したいレイヤーを右スライドで複数選択した後「グループ」を押します。

「新規グループ」という名前のグループに、選択したレイヤーが組み込まれました。

グループ化はレイヤー構造を整理するのに役立ちます。レイヤー構造をカテゴリーごとにグループ化し整理すると、レイヤーが増えてきた時、見やすく快適に作業できます。

僕は修正しやすいようにいくつかのレイヤーに分けて線画や着彩をします。以下の例では、線画のレイヤーをパーツごとに分け、1つのグループにまとめています。


その他のグループ化の方法として以下の2つがあります。

  • レイヤーメニュー「すぐ下と組み合わせる」を使う
  • レイヤー移動のついでにグループ化する

レイヤーメニューから「すぐ下と組み合わせる」を押すと、1つ下にあるレイヤーと、現在のレイヤーをグループ化します。

もう1つの方法として、レイヤーを移動中に、グループ化したいレイヤーの上に重ねる方法があります。

例では、「ハイライト」レイヤーを移動中に、「影」レイヤーの上に乗せ、1つのグループにしています。

グループ化するとレイヤーを折りたたむことができる

グループ化すると、複数枚のレイヤーを1枚のレイヤーと同じサイズに縮小して置いておくことができます。

グループの右側にある「V」や「>」マークを押すと、グループを開く、折りたたむを切り替えられます。

複数レイヤーを削除

一度に複数のレイヤーを削除するには、以下のように操作します。

  1. 削除したいレイヤーを選択し「削除」を押す。
  2. 「削除しますか?」と効かれるので「削除」を押す。やめる場合は「キャンセル」を押す。
  3. 選択していたレイヤーが削除される。

レイヤーの複数選択と他のツール(ゆがみ、選択など)との組み合わせで便利に使える

複数選択している全てのレイヤーに対して、以下の操作を実行できます。

レイヤー構造を開き、複数レイヤーを選択した後、使用したいツールを選択して使うだけです。

以下の例では、1つのレイヤーのみを選択しているとき、複数レイヤーを選択しているときに、移動ツールを使用しています。

特定の箇所、レイヤーを選択してゆがみ、変形・移動を使いこなせれば、圧倒的に効率よく快適にお絵描きできるようになります。ぜひ覚えておきましょう。

グループに対する操作

グループの名前を変更する

レイヤーをグループ化すると「新規グループ」という名前でグループが作られます。グループの名前は以下のように変更します。

グループの移動

グループを長押しして動かすことで、グループを移動させることができます。

グループの表示・非表示

グループのチェックボックスをタッチすることで表示・非表示を切り替えられます。

グループのチェックボックスを使うと、グループ化している全てのレイヤーに表示・非表示が適用されます。

グループのロック、複製、削除(左スライドでメニュー呼び出し)

編集したいグループを左にスライドさせるとメニューが出てきます。

ロック、複製、削除の内、目的の操作をタッチして実行します。

「グループ解除」ボタンはない。「レイヤー選択+移動」で対応する。

グループ化したレイヤーを「解除する」ボタンは準備されていません。

グループを解除したい場合、以下の操作を行います。

  1. グループ解除したいレイヤーを、右にスライドさせて複数選択する。
  2. グッと長押しし、グループの外にレイヤーを移動させる。

以下の例では、1つのグループの中にある6枚のレイヤーのうち、4枚をグループから外しています。

フラット化でグループを1つのレイヤーに統合する

Procreateでは、グループ化したレイヤーを1つのレイヤーにまとめることを「フラット化」と呼んでいます。

グループをタッチし、呼び出されたメニューから「フラット化」を選択すると、1つのグループが1つのレイヤーに変換されます。

グループ化の有無に関わらず、二本指をグッと縮めて、レイヤーやグループをまとめるように動かすことでも、レイヤーをフラット化することができます。

編集したレイヤーを元に戻す方法

フラット化、結合、グループ化、グループ解除などの操作は「1つ戻る」を使えば元に戻すことができます。

戻る方法は2通りです。

  • 2本指でタッチのジェスチャで「1つ戻る」
  • サイドバーの戻るボタンで「1つ戻る」

戻る、進む方法は以下の通りです。

戻せない場合があるので注意する

編集作業を行った後、1度ギャラリーに戻ると、操作の記憶が全て失われます。

つまり、ついさっきしたばかりの動作でも、1度ギャラリーに行ってしまうと「戻る」が使えなくなるので、注意が必要です。

まとめ

この記事では、Procreateにおけるレイヤーの基本操作について紹介しました。

おれねこさん

基本といっても結構盛りだくさんだったと思うぜ!

おれつや

でも覚えておくと、かゆい所に手が届くようなものがたくさんあります。

Procreateでお絵描きする人の助けになればと思います。